top of page
アトリエ ミドリ


「子供部屋」
新築の設計時の検討事項として、 「子供部屋」の位置する方位、広さ、日当たりのウェイトは大きいと感じます。 これだけでも日本の子供たちはいかにに大切にされているかがよくわかります。 東南の角が良い、6帖以上確保したい、 燦燦と太陽が降り注ぐ部屋にしたい、本棚をたっぷり造りたいなどなど。 ただ、私の経験からお伝えすると、 ・子供たちが子供部屋で過ごす時間は思いのほか短い ・寝る・勉強する・私物を収納する以外のスペースは本当に必要か? ・快適にしてしまうと出てこなくなる と感じています。 小学生まではダイニングかリビングで宿題をしていたり、 中学生になると夕方から夜は塾に通う子供も多くなります。 大学生になるとそれこそ子供部屋に滞在する時間が激減します。 皆一律同じような状況ではないと思いますが、 子供が幼いころ親が思うような子供部屋の使い方にはならない気がしています。 住宅設計をしている知人と話していると、 「子供部屋は3帖あれば十分」とか、「カギは絶対に付けない」とか、 最近では「リビングのすぐ脇に子供の部屋を設けて繋げて使う」という意見が出てきま
6 日前


「キッチン空間」の考え方・造り方
我が家のキッチンを考えた際の構想は以下でした。 ・省スペース内に収める(2世帯でキッチンが2つあるため) ・料理しながら子供(当時3歳)の様子が見えるようにする ・料理中の歩数を極力少なくする(家事の省力化) ・空が見えるキッチンにする(視線の抜けを造りたい) ・物が出しっぱなしにならない そして完成したキッチンは上記全てを叶えた省スペースキッチン。 プランした当時は対面キッチンが流行り始めていた時期でしたが、 対面にしてしまうと私の構想が形にならない。 限られたスペースでどうしたら叶えることができるか? 結果としてL型キッチンの最小サイズ+セルフデザインの 両面ハッチ型食器棚が完成しました。 食器棚はキッチン側からもダイニング側からも使うことができるようになっておりとても機能的で便利。 今では家族全員が作業するようになったキッチンですが、皆効率よく動いている様子がわかります。 また外が見えるように造ったので時々空や散歩中の猫を見ていたりします。 キッチンの流行は今、 「ペニンシュラ」・・・コンロ側だけキッチンが壁についている 「アイランド」・・
2月20日


「TVの配置」
住まいの設計をする際にリビングにおけるTVやスクリーンの配置はとても重要です。 その理由は以下。 ・その家族がどのようにリビングやダイニングでコミュニケーションを取っているのか? ・家族間の共通の話題は何か? ・普段どのようなコンテンツを視聴しているのか? ・そもそも食事の時にTVはつけているのか? これらをよく理解しないままTVの配置を決めてしまうと、家族の在り方まで変えてしまうことになります。 そしてこんなこともよく伺います。 ・TVがついていないと家族の会話が全く無くなる ・TVから流れてくる内容が家族共通の話題 ・食事の時はいつも家族全員TV画面を見ている ・TVしか見ず、家族が今日どんな服を着ていてどんな表情をしていたか覚えていない 親子が一緒に食事ができる時間 をハウス食品が調査していますが、 食事1回の時間を1時間と仮定して計算すると、何と生涯でわずか206日間(=約7か月)しか、 家族みんなで食卓を囲む時間がないという結果になっています。 さてこの貴重な206日をどのように扱うか・・・? 子育て期はもちろん、家族が一か所に集まる貴
2月5日


「外干し?室内干し?衣類乾燥機?」
我が家の洗濯は主に夜の入浴中。 かれこれ30年以上、入浴中に洗濯機を回しお風呂から出たら室内干しを継続しています。 理由は以下。 ・出勤前の朝は時間が無く洗濯に関連する一連の作業の難易度が高すぎる ・比較的時間に追われない夜の方が気持ちが楽 ・室内の仕上げに採用した「珪藻土」が洗濯物の湿気を吸収してくれる ・冬場は室内湿度の調整にも貢献してくれる ・干してからたたむまで約22時間経過するので完全に乾く この方式はメリットが多く、 ・朝のイライラ、バタバタが無い ・天気に左右されない ・洗濯物に花粉、PM2.5、排気ガスが付着しない ・服が紫外線で色あせない ・外干しする→取り込みに行く作業がない これらによって我が家の平和は保たれているといっても良いかもしれません。 最近は、洗濯や布団を干すベランダ不要論があったり、 洗濯機を設置した空間をランドリールームにする住まいが増えていますが、 流行っているからでも、単に楽をしたいからでもなく、 自分のライフスタイルに合わせ、合理的・効率的に考えた結果だと思います。 atelier翠では、これから住まいを
1月27日


「住まいの余白」
リフォーム、リノベーションのご相談で過去沢山のお住まいを訪問してきましたが、空間を余すことなく物で埋め尽くしているお住まいが多かったと感じています。 押入、天袋、クローゼット、階段下収納、下駄箱、部屋の隅々まで、 余白があってはもったいない!埋め尽くさなければ!という気迫さえ感じます。 30~40年間という長い間に、家族が増えると同時に物も増え、 日本人の「もったいない」精神がそれらを捨てることを拒み、 限られた空間は物によって徐々に圧迫されていく・・・、 これが典型的な日本の住まいにとても多いスタイルのように感じます。 ですが、よく考えてみるとこんなことは思い当たることはないでしょうか? ・実際に「使う物」はその中に本当にあるのか? ・「不用品」のために何十年も固定資産税を払っているのでは? ・本来は「人のための空間」を物に譲っていないか? 日本人には「余白の美」という概念があり、 何もない空間に想像力を掻き立てられたり、安らぎ、洗練といった印象を持つことがあります。 これは、絵画や書道、庭園や様々なデザインにも用いられており、...
1月22日


「大人のマイルーム」
我が家には家族それぞれの部屋があります。 「当たり前では?」と思われるかもしれませんが、実は家族それぞれの部屋があるのは日本の場合少数派のようです。 現に子供部屋の数や広さは統計があっても、両親がそれぞれの部屋を持っているかの調査はあまりされていません。 私の勝手な推測ですが、住まいの広さや建築費などの制約から、 父親、母親の個室は諦めるもしくは、慣習によって同室になっている可能性が高いと考えています。 我が家の話に戻りますが、 2年前に「それぞれのマイルーム」を持てるように住まい方を変えています。 新築当初からあった子供のプライベートルームに加えて、 夫のプライベートルーム、私のプライベートルームを誕生させました。 結婚当初から継続していた住まい方を変えた理由は明確です。 ・就寝時間の違い ・快適な室内温度の違い ・質の高い睡眠確保 ・一人の時間を大切にする ・趣味や仕事のスペース確保 このマイルーム確保により想像以上に生活の質が向上しました。 計画を説明した時の夫は「絶対反対!」「一人で寝るのは不安・・・」。 2年経過した今は、はっきり言葉に
1月8日


「大掃除」
私は結婚当初、「大掃除」というものは大晦日にやるものと思い込んでいました。 新婚当時住んでいた住まいはコンパクトでそれほど掃除も大変ではなかったのですが、たった1日で家じゅうの「大掃除」は流石に無理があることは今となっては考えなくてもわかります。 更にそこに上乗せして、お正月の全ての準備をこの大晦日にやろうとしていた私・・・。 きっとその当時の私にとって「大晦日」は忙しくしていないといけない日だったのでしょう。 いやはやご苦労様でした・・・。 今の私はどうしているかというと、 ・気になったら その場で掃除 する ・ 使い捨て掃除グッズ を積極的に利用する ・できるだけ埃の乗る 平面を作らない ・床にできるだけ 物を置かない ・ 物を増やさない ・ 掃除する日を分散 させる ・ 家族を巻き込み 一人でやらない これらにより掃除というものはだいぶ楽になった気がしています。 家造りをする際、デザイン性もとても大切ですが、 日々の生活がいかに楽に楽しくできるか、は最重要だと思っています。 「毎日やること」がいちいち大変だったら家にいる間気が休まる暇がなく
2025年12月23日


「新築」と「リノベーション」
私の経歴は少し変わっていて、 新築注文住宅の設計とリフォームの設計がほぼ半分です。 私が見てきた2つの世界で感じたことは、「新築専門」の人と「リフォーム専門」の人が思いのほか多く、双方でどこか壁があることでした。 同じ「建築物」であり「人の住まい」に関わっているのに、そもそもの目的や考え方が違う。 予算やお客様の要望に合わせ最終的にカッコよくというのは共通ですが、新築専門の方は「建てること」に集中し、リフォーム専門の方は「直すこと」に集中している。 当然といえば当然ですが、ただどこか双方で見えていないポイントがあると感じました。 人生100年時代になった今日ですが、新築で家を建てるタイミングではまだ若い施主様が多いこともあり、 これからこの家で何年暮らすのか、長い時間の中で人や住まいに何が起きるのか? それらをあまり考えずに「素敵な住まい造り」に邁進しているような気がします。 逆にリフォームでは、新築時の関係者の想いや構造の考え方、 そしてここまでお客様が過ごしてきた時間にもっと目を向けるべきと感じます。 そのために、 新築の人はリフォームを、リ
2025年12月15日


「ライフスタイルの変化」
現在住んでいる家に30年以上暮らしてきましたが、その間様々な変化がありました。 胃に穴が開くほど大変な思いをしながらプランした新居にようやく引越しをした日は、晴れ晴れとして清々しく、楽しい毎日が待っているとまだ人生経験の浅い私は感じていました。 ですが、今の私からするとその当時の私に伝えたいことは山ほどあります。 ・しっかり断熱したほうが良いよ! ・建材は吟味して選んだほうが良いよ! ・将来の変化に備えて可変性を持たせたほうが良いよ! などなど数え切れず・・・。 この30年間の住宅建築の変化は大きく、比較しても意味がないのは理解していますが、 30年同じ家で暮らしたからこそ見えた「住まいのあり方」があります。 家族が増える、年齢を重ねる、病気になる日もある、いつもやっていたことが自分でできない日がやってくる。 逆に、孤独だった家事労働を家族全員でできる日が来る、家族の考え方が変化して暮らし方も変化する日が来る。 それに合わせて家も一緒に変化していけるように、住まい造りを考えたいと思っています。 今まさに新築されている家が30年後には「昔はこれが流
2025年12月8日


「2世帯住宅のプランニング」
現在暮らしている住まいは築32年になる木造住宅です。 32年前この住まいを造る時の状況は、様々な事が重なり胃に穴が開く寸前まで追い込まれました。 子供はまだ幼く、そして自分自身の資格試験の勉強追い込み真っ最中、日中は仕事、夜は毎日家のプラン・・・。 そして孫の面倒や家事を手伝わない主義と断言した義母との同居が今後何十年と続くことが確定する作業でもありました。 2世帯住宅のプランニングは、まだ若かった自分自身の住宅設計への知識不足、経験不足で非常にもどかしく、「これは仮の住まいなんだ」「いつかもう一度設計するんだ」と自分に言い聞かせながらプランニングしたことを 今でも鮮明に思い出します。 それでも、義母と私達家族がお互いに自立し、遠慮せず、気遣いもしないで済むようなプランを何とか練り上げ無事着工となりました。義母が要介護となり施設に入るまでの数年間、この住まいで車いすを利用しながら生活ができたことも建築士としての役目は果たしたと自負しています。 義母がこの春他界するまでの32年間この2世帯住宅で共に暮らしましたが、細かいことはさておき義母も私たちも
2025年11月29日


「オープニングページ」
事務所HPの画像は建築業界の方ならすぐにわかると思いますが、天井を見上げて撮っています。 小屋化粧梁と小屋束が見えていて左右に下がる勾配天井になっています。 更に仕上げは珪藻土塗で、左官屋さんが天井を見上げながら苦労して仕上げてくださいました。 実はこの画像は我が家のリビングの天井。 家族が増え2世帯5人家族として家が手狭になり増築工事をした際、リビングの梁を表しにして勾配天井にしました。 天井の高さは一般的には2400ミリが多いのですが、リビングの天井の一番高い場所は3300ミリあります。 実際の空間よりも広く感じ、心理的な開放感もあります。 そして壁と天井の仕上げである珪藻土のおかげで、湿度調整、脱臭効果もあり気持ちの良い空間となっています。 疲れた時にゴロンとリビングに寝転がるとちょうどオープニングの画像のような風景が目に入ります。 天然木材と珪藻土という素材のコラボレーションにより、 狙い通り「和む」感覚を得られるリビングになりました。 子供がこのリビングを占拠していることが多かったのですが、 子供部屋に閉じこもることがなかったのもこのリ
2025年11月22日


「事務所のネーミング」
「atelier 翠 一級建築士事務所」というネーミングは、私の名前の「みどり」→「翠」に変換したんでしょ?とおっしゃる方が多いです。 普通に考えたらそうなるのですが、実はネーミングに至るまでのストーリーがあります。 ストーリーの発端は私の母。 幼少期から中学生まで、母は私にあなたの名前は「翠」と教え続けていました。ところが、中学生になって暫くした頃、先生から「翠ではなくてみどりではないか?」と問われたのです。家に帰って母に聞くと「そうかもね。」と何事もなかったかのような返答。 ここまでの人生で何度も自分の名前を記入することをしてきましたが、まさか自分が「みどり」だったなんて12歳の私はこのとき初めて知ることとなったのです。 当時は母の変人ぶりに驚き振り回され気味だった私ですが、自分にまつわるエピソードとしてなかなか面白くこのストーリーは今ではお気に入りとなっています。そして「翠」という漢字には、「翡翠」(かわせみ)という意味があったり、私の好きな色を表していたり、最近では命名時の漢字として人気№1になっていたりと、漢字をとりまく環境も好ましく事
2025年11月20日
blog
bottom of page
